作品名:HERO'S
サイト名:海の見える高台の家
作者名  :FourRami様
舞台・人物:パワポケ7、倉見春香

五年前以上で若干記憶が曖昧ですが、FourRamiさんとはパワポケ荘時代の末期……
どちらかと言えば、その後に別名で一次創作をやっていた頃からの知り合いです。
私が出無精なもので、これまであまりお話させて頂く機会はなかったのですけれども、
非常に読みやすい構成の文章を書かれる方で、ひそかに尊敬していた次第。
 
 
 
さて、HERO'Sは春香ちゃんメインのお話です。
春香ちゃんといえばセットで名前が挙がるキャラクターが一人。東先輩ですね。
当初は女性説もあった東先輩ですが、女性説の根源である伊集院レイが元ネタだと、
 
「スクープでやんす!  大スクープでやんす!」
「どうしたんだい湯田君、そんなに慌てて」
「聞いて驚くなでやんす。実はあの東先輩が、おん(バスッ!)はうっ!!」
「ゆっ、湯田君!  君の首筋に弾丸が、今……」
「へ?  あ、本当でやんす。でも全然痛くないでやんすよ。
 ……あ、あれ?  ところでオイラ、なんの話をしようと……」
 
と、好雄の如く東財閥によって記憶を消される所ですが、女性説はブラフで一安心。
 
 
HERO'Sにおいては、主人公と東優、二人のヒーローの魅力が春香ちゃんによって紹介されます。
春香ちゃんが二人のどちらに想いを寄せるのか、或いはどちらにも寄せないのかの明示はなく、
主人公×倉見春香、東優×倉見春香、もしくはそれ以外の設定……どんな趣向の方にも、
その一歩前の状態として、楽しく読む事が出来ます。
 
とにかく主人公、もしくは東先輩と春香ちゃんをイチャイチャさせるのも、それはそれで非常に良いものです。
しかしこの三人の間柄においては、HERO'のように主人公と東先輩のどちらも切らない方が深みが出ると思うのですよ。
 
主人公×春香ちゃん派の視点で書きますが、
東先輩の本心はともかく、東先輩という存在は恋のライバルになりえるものです。
しかし私は『ライバル』とは、むしろヒーロー(主役の意)とヒロインにとってプラスになると思うのですよ。
というのも……ライバルという障壁があるからこそ、ヒロインへの想いも一層強まるのではないか、と。
加えて言えば、春香ちゃんルートでは、東先輩が主人公と春香ちゃんの関係をサポートしてくれますよね。
私にとっては、これがもうこの上なくツボなシチュエーションなのです。
 
この作品の後に、どの様な物語が繰り広げられるのかは分かりません。
FourRamiさんが書かれるのかもしれませんし、私達の脳内で展開されるものかもしれません。
しかしいずれにしても、二人のヒーローを紹介したという点で、その後は深みのある展開になるのではないか、と思う次第です。
 
 
 
ラスト三行も、作品のテーマを改めて明確にしてくれて、締りがでています。
ヒーロー戦のBGM「ガッツだー!」の歌詞「そうさきっと 君だって なれるヒーローに」を思い出しました。
そうそう、誰だって努力すればヒーローになれるものです!
私も春香ちゃんのヒーローに……
あっ、やめてっ、そっちのヒーローじゃない! おうどいろマスクをかぶせるのはやめてっ! うあああああああ……