情報収集あれこれ
 
 
 
さてさて、創作あれこれシリーズも三回目。
今回は、ここで詰まっている方が一番多いのではないかな……という要素、情報収集です。
 
SSを書いていると「どういう人物にすれば魅力的になるだろう」「この場所、この仕事って具体的にはどういうものなんだろう」
といった、作品を掘り下げる為の情報に不足したり、そもそも「次は何を書こうかな」という所で詰まってしまう事があります。
そういう時には何らかの形で情報を得なければならないのですが、その得方を大きく二つに分けてみましょう。
 
 
 
■メディアからの収集
漫画、ゲーム、小説、情報誌、ネット……媒体は様々ですが、メディアから情報を得るやり方です。
しかし、これにはメリット・デメリットがそれぞれあるわけで、そこはしかと把握しておいた方が吉。
 
まずは、メリット。
ニッチな情報が得られる。これはとにかく大きなメリットです。
欲している情報をズバリ得る事ができるのですから、活用しない手はありません。
更には、媒体によっては現在の流行といった情報や、
文章の書き方という技術面の学習も副産物として付いてくるのですから、これらは大いにプラスです。
 
しかし、そんなメディアにもデメリットはあります。
それは、情報の正確さ。
メディアの情報は必ずしも正しいとは限りません。
昔インターンに行っていた所での受け売りですが、特に戦史物はその傾向が強いとか。
資料以外のメディアでも、演出上説明を省いたり、不正確な描写をしたりという事は多々ある事ですものね。
飛行中に翼を畳むクルセイダーは格好良いんですけれど、飛行中はできないのだと知ったのはつい最近の事でした。
あとは、分かりやすい所だと、可愛いヒロインが片っ端から男性との交際経験がないとか。
 
 
 
■直接の見聞
その情報の正確性に長けているのが、直接の見聞です。
自分の目で見たものであれば、その情報の正確性も高まる。
経験できない仕事や、もう戻れない学校の話であれば、それらに対して現役である人の話を聞いてみる。
最新の情報を仕入れる事が出来るわけですから、話の信憑性は大きく高まるってものです。
 
加えて、直接の見聞にはもう一つ大きなメリットがあります。
それは、予期せぬ情報を仕入れられる可能性。
メディアとして産み出されるものは、幾多の情報の中から必要な情報だけを厳選したものです。
ですので、上記の通り欲しい情報はピンポイントで入手できますけれど、それ以外の情報は入手し難い。
その点、直接の見聞であれば、想定外の情報というものが常に付きまとってくれます。
 
直接の見聞のデメリットは、やはり手間や金銭が掛かる事ですね。
外国の事を知ろうとすれば莫大な旅費が必要ですし、
外国の知人に聞こうとしても、そんな知人そう簡単に得られるものではありません。
その他、得られる情報が浅いケースがある事でしょうか。
 
 
 
 
 
とまあ……偉そうな事を書きました。
が、もう一つ留意しておくべき事があります。
 
そうして得た情報ですが、然程役に立たないケースも多々あるのです。
今書いている黄泉人は、伝記物の漫画を多く読んだり、実際に幾つもの神社を訪れましたけれど、
今の所、作品に生かせているのは、一部の名詞を正しく使う事が出来た点と、
意外と造語は少なく、古事記等からの拝借が多いという事だけ。
作品の体裁を整えるのには多少役立ちましたが、話の面白みはそれほど強化されていないのです。
 
しかし、これで良い。
そうして得た情報は、必ず次の作品に繋がります。
作者繋がりで新しいジャンルに目覚めたり、現地で話した人から人脈が広がったり。
そうして自身の可能性を広げ続ける事こそが、情報収集による最大のメリットなのだと思います。